2023年12月2日実施 HRCG 第13回 公開講座報告

 本年度最後の公開講座「地球環境問題を考えるー地質学と人類の未来ー」を12月2日にかでる2.7で開催しました.広めの会場を用意し定員55名としましたが,事前予約は41名でした.当日のJR踏切事故の影響もあり,欠席が8名と多くなりましたが,予約なし1名も加わり34名の参加で盛況にて終了しました.
 参加された年代は30代から80代と広範囲に渡っていますが,30〜50代の方も7名が参加されました.HRCGの会員は12名が参加し,会場責任者や受付などでも6名が参加しています.参加のきっかけは,HRCGのホームページとメルマガが最も多く,次いでチラシと知人からの紹介,本会の会員とでそれぞれ3分の1程度でした.
 参加者のアンケートは30通回収されましたがメールでの感想も含め,わかりやすさやスライドの見やすさなどで8〜9割の方から極めて高い評価を受けました.次回に向けての「関心あるテーマ」では複数を選択したひとが多く,どれも10名以上でしたが,地質変動と自然災害が多い傾向でした.今回のテーマを反映してか地球環境も以前より多くなりました.
 また,来年度も年間3回程度の公開講座を準備しつつありますが,会員の皆様からの積極的な企画提案をお待ちしています.


(2023/12 講師:宮下純夫 記)


2023年9月30日実施 HRCG 第12回 公開講座記録

 ・講座名称 札幌を見下ろす山々
 ・主催 特定非営利活動法人北海道総合地質学研究センター
 ・北海道教育委員会主催 2023年度前期道民カレッジ連携講座指定
 ・後援 札幌市, 札幌市教育委員会


 ・講座概要 札幌市の西部には1000 m前後の山々が連なり,市街地には藻岩山や円山・三角山が隣接,東部には小山が点在している.さらに,モエレ山が2004年に作られた.「動かざること山の如し」と例えられる.実は山にも一生があって,数百万年あるいはそれ以上の悠久の時間を経過したものもある.そのような長い時間にわたる地殻変動によって隆起した地盤の一部が海や川の浸食から免れて山となった.そして,残された山の多くは浸食に強い火山岩によってできているので,さまざまな火山地形を読み取ることができる.講座では,市街各地から見える山の姿を紹介する.そのなかで,山の地質学的な特徴,地形学から見た隆起の痕跡,アイヌ語山名などについて,理解を深めてもらう.山の神様は高所から街を見下ろし,人々を見守っている.その成り立ちを理解することで,山を守る知恵が湧いてくると思う.
 ・実施会場 かでる 2.7 北海道立道民活動センター (札幌市中央区北2条西7丁目) 1050会議室
 ・実施日・時間 2023年10月30日(土)13:30~15:30
 ・講師 宮坂省吾
 ・司会:関根達夫
 ・司会補助・マイク担当:岡村 聡
 ・受付:中川 充・松田義章・嵯峨山 積
 ・機材調整:関根達夫
 ・全体総括:宮下純夫
 ・広報活動:チラシ1,000枚印刷,北海道新聞「さっぽろ10区」及びまんまる新聞に記事依頼.
 ・報道:くらしの新聞社「週刊まんまる新聞」(9月22日付)
 ・広報従事者:宮下純夫,関根達夫, 中川 充,岡村 聡,石崎俊一,松田義章, 佐藤公則,村元健司,嵯峨山 積
 ・参加費 1,000円,500円(会員・高校生)
 ・事前申込み:48名(メール:25名、電話:23名)
 ・申込み後欠席:1名
 ・当日申込み:5名
 ・講座受講数:52名(内,会員6名)
 ・アンケート回収:39枚
 ・収益:収入50,400 円,支出35,760円. 収入-支出=14,640円.
 ・道民カレッジ連携講座(教養コース)  ・配布資料:61部作製(A4判,9枚,裏表カラー印刷),販売数:7部
 ・その他:手話通訳2名出席
 ・企画・記録・写真:嵯峨山 積

(2023/10 嵯峨山 積 記)


2023年7月1日実施 HRCG 第11回 公開講座報告

 ・講座名称 地質学的に見た手稲山と,その周辺の山々の形成史
 ・主催 特定非営利活動法人北海道総合地質学研究センター
 ・北海道教育委員会主催 2023年度前期道民カレッジ連携講座指定
 ・後援 札幌市, 札幌市教育委員会
 ・講座概要 札幌市中心部から約15 km 北西方に位置する標高1,023 m の手稲山は,約 350万年前(鮮新世)に誕生した.安山岩や頁岩,凝灰岩などで構成され,東側には溶岩の流れたなだらかな傾斜が広がる.急崖の下部は緩斜面が連続し,5万年前より古い時代に形成された大規模な岩屑なだれの末端は JR手稲駅付近まで達している.札幌市民にとって身近な山である手稲山と,小樽方面に連なる山々の形成史について,地質学の立場から解説し,郷土の自然と歴史を再認識してもらう.
 ・実施会場 かでる 2.7 北海道立道民活動センター (札幌市中央区北2条西7丁目) 1050会議室
 ・実施日・時間 2023年7月1日(土)13:30~15:30
 ・講師 松田義章
 ・司会:岡村 聡
 ・企画・記録:嵯峨山 積
 ・全体総括:宮下純夫
 ・参加費 1,000円,500円(会員・高校生)
 ・講座受講者 45名(内,高校生1名,会員7名) 

 スタッフを含め部屋の定員ちょうどの大盛況となった講座であった.場慣れした講師による,身振り手振りや紙芝居を使った講演は退屈せず,アンケートでも好評がうかがわれました.また,初めて自前で手話通訳の方(2名)を用意されての参加者もあり,質問もあって良い経験となりました.講座終了後,メールマガジン購読への申込みもあり,次回への期待の大きさが感じられました.

(2023/07 中川 充 記)


第10回公開講座の講演を終えて

  このテーマは講演者が中心となって進めている,「胆振東部地震の岩盤崩壊」の記録・写真集作成プロセスの中間的集約の成果として示したものです.この調査・研究を進めれば,進めるほど作業量の膨大さを実感しています.該当範囲は厚真・むかわ(鵡川・穂別)・平取の自治体管内に広がります.この作業の成果は全て終了してから公開していたのでは意味がないと考え,個人的オリジナリティーのことは度外視して,ショロマ川西岸,幌内川流域とHRCGなどでネット公開し,さらに鬼辺岸川流域,ウクル川流域など順次公開の準備を進めています.
 今,その主要部である厚真町管内については,2023年3月までには取りまとめ・公開がほぼ完了する見込みですが,岩盤崩壊のもう一つの主要な分布域であるむかわ・平取町管内については,さらに15日間程度の現地調査を必要としており,2024年3月を作業終了・公開のゴールとして進めたいと考えています.さらに、可能であれば、第一弾として厚真町管内主体に記録・写真集の形で何らかの印刷物(自費出版も含めて)が可能とならないかも模索しています.
 岩盤崩壊の分布とその崩壊の程度の地域的ちがいは確かに,地下深部で活動した地震断層(活断層)の姿を間接的にあらわしていると再認識していますが,まだ十分にまとめきれいない不十分さが,今回の講演に表れてしまいました.次の機会があれば,もっとすっきりと,コンパクトに話ができるように努力するつもりです.

(2022/12 講師:岡 孝雄 記)


第9回公開講座盛況にて終了

 新型コロナ感染拡大のため,長らく休止していた公開講座「変動する地球:日本海東縁の地震帯–迫り来る地震への備え–」を10月15日に3年ぶりに開催しました.定員35名のところ34名が参加し,大盛況にて終了しました.参加された年代は30代から80代に渡っていますが,30〜50代の方も10名が参加されました.HRCGの会員は9名が参加しましたが.会場責任者や受付などでも4名参加しています.今回からHRCG会員は参加費を半額としましたが,多少とも効果があったのではないでしょうか.参加のきっかけは,チラシと知人からの紹介,本会の会員とがそれぞれ3分の1程度でした.参加者のアンケートは32通回収されましたが,わかりやすさやスライドの見やすさなどで8〜9割の方から高い評価を受けました,次回の胆振東部地震の受講希望者も10名にものぼっています.また,今回の公開講座には沼田町の町長や職員が参加され,終了後に講師と様似町学芸員との懇談する場が持たれました.公開講座を通じた自治体との協力・共同のきっかけとなりそうです.来年度からは年間4回程度の公開講座を準備しつつありますが,会員の皆様からの積極的な企画提案をお待ちしています.

(2022/10 講師:宮下純夫 記)