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HRCG Newsletter-2



 2018/1/8
皆さま:

2018 年に入りました. 本年も引き続き宜しくお願いいたします.
2/3 開催の HRCG 研究セミナーのご案内をお送りいたします.

HRCG Office

****** HRCG 第 7 回研究セミナー ******

講演者:山岸宏光 (北海道総合地質学研究センター)
講演タイトル:水中火山のはなし ?NHK ブラタモリ室蘭 (2017年11月25日放映) に関連して?
日時: 2018 年 2 月 3 日 (土曜) 14:30?16:00
場所: かでる 2.7 北海道立道民活動センター 920 号室 (札幌市中央区北2条7丁目)
会員以外の方でも関心をお持ちの方はどなたでも自由に参加することができます. 参加は無料ですが, 資料代 300 円が必要です. また予約は不要ですが, 会場の収容人数に制限があるため, 先着順とさせていただきます. なお, このセミナーに関するお問い合わせは北海道総合地質学研究センター (office@hrcg.jp) までおよせください. 講演要旨を含む広報用の資料は http://www.hrcg.jp/open.html から入手可能です.

講演要旨:

NHKブラタモリという番組では、地学の話題がよく出てくる。そのなかで、とくに、ブラタモリ熱海では、水冷破砕溶岩という言葉が、同知床では水冷破砕岩、また、2017年11月25日に放映された同室蘭では、演者が出演して、「水冷破砕岩」という用語の創始者として紹介され、地球岬やトッカリショなど、室蘭八景の海側から見た、「水中火山」のでき方を解説した。

この室蘭絵鞆半島外側の断崖の地質や岩石については、最近の知識で解説したものはなかったため、その取材にあわせて、室蘭市が公開しているオープンデータの解析に始まり、セスナ機((株)シン技術コンサル)による斜め写真撮影や現地調査を実施して、膨大なデータを収集して、貴重な資料を入手したと同時に、新たな知見を得ることができた。

このセミナーでは、あらためて、「ハイアロクラスタイト」(hyaloclastite)の和訳である「水冷破砕岩」の意味を解説して、ブラタモリ室蘭の番組作成に協力した際に取得した種々の画像データなどを主に紹介する。さらに、ほかのNHK番組(BSプレミアム国道5線トラック旅など)で紹介された積丹半島東海岸の露頭写真も紹介する。

地質屋がよく使っている「ハイアロクラスタイト」の日本語訳を、“水冷破砕岩”としたのは演者である(神恵内図幅など)が、この名称を使うことについては70年代には、いくつかの議論があったので、火山岩の分類をふくめて紹介する。

いずれにしても、2016年の日本地質学会(東京)では、天野一男さんらが、“グリーンタフルネサンス”と称して、中新世の海底火山の復元に関する研究が始まっている。1991-2000年の間に、「水底火砕岩研究会」(http://science.shinshu-u.ac.jp/~geol/Miyake/HP/suitei.html) として、10回の研究集会と巡検会が開催されてきたが、高齢化と、フィールドジオロジーの衰退によりそれ以降開催されていない。しかし、それに代わって、on line に「水中火山岩研究会」(http://kazan.okuyama.co.jp/)が2015年にたちあがり、少しずつ会員も増えている。わが国ではフィールドジオロジーそのものが“絶滅危惧種”である状況であるが、西の島新島の誕生や、JAMSTECなどの現海底による種々の調査も行われていて、多くのデータが提供されつつある。この機会に海中―水中の火山活動に興味をもってくれる若い人が増えれば幸いである。

退会用URL: http://hrcg.jp/xmailinglist/news/